チャンスの女神

o126012601346907311369[1] 富士市に歌姫が来るというのですかさず聴きに行ってきた。 テレビでその歌声にぶったまげてからその存在が気になっていた「May J」。

第1部はドレスでしっとりと歌い上げた。 その声量に驚き、「あのヒット曲」をもったいぶらずあっさりと披露してしまったところに好感を持った。これはこの後が楽しみだ。構成に相当自信を持っていないとできない展開だ。

第2部でその一端が垣間見えた。ダンスドレスに衣装替えして再登場したのだ。 他のダンサーと同じくらいの激しさで踊りながら、ヘッドセットにつけたマイクからは吐息ひとつ聞こえない。どこかのクチパクアイドルとは段違いである。しかも5曲も6曲もダンス曲は続いていく。こちらが心配になるくらいの運動量だ。踊っても踊っても、歌はカンペキである!

そして第3部は違うドレスに着替え歌姫に戻る。 決してうまいとは言えないが、その誠実さが伝わってくる「MC」。その中でデビュー9年かけてやっとここまできた。今までの廃業の危機を語った。これほどまでの才能も「時運」を得ないと表舞台に現れることができない・・・愕然とするほどの現実の厳しさだ。彼女レベルの多くの歌姫が、耐えられずにこの世界を去ったことだろう。

彼女の10代の夢が「ディズニーソングを歌える歌手になる」ことだったそうだ。9年目に回ってきたチャンスを彼女はしっかりとゲットした。そこには周到な準備があったはずだ。「チャンスの女神」に愛されるのは大変なことだから。 アンコールで「あのヒット曲」の原曲が英語で披露された。圧倒的な・・・すでに25曲近く歌った後とは思えない圧倒的な歌唱だった。帰り道のお客さんもこの圧巻の歌をほめあげていた。なるほど!この構成は素晴らしい。

「またいつあの時代に戻ってしまうかわからない」と彼女は口にした。 これは謙遜ではないと思う。本気で心配している。だから彼女は今できることは何でもしようと思っている。そこに「芸人」としてのプロ根性を感じた。必死さを感じた。迫力を感じた。 入れ替わりの早い時代。 もっと早い芸能界、音楽界で、生き残れ歌姫! きっと彼女に初めて出会った富士市民は、今後の末永い応援を心に誓ったはずだ。

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