幻のピアノ

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ご無沙汰をしております。 沼津の三雲です。

それにしても本社の2人は本当に走ったのですね・・・信じられない! 大したものです!

てっきりブログのネタかと思っておりました、もう走れない50歳のおじさんです^^;

 

さてまたまた音楽ネタでごめんなさい。 富士にある「楽器ショップすみや」は、貸しスタジオがあるのでよく使わせていただいています。 正直鍵盤楽器は少なく(場所取るからね!)、物足りないのですが時々中古で面白いものが出ます。

以前はローランドのリズムボックス、シーケンサー付きの30年選手のシンセサイザー(当時定価30万円相当)がなんと!「1万円」(税別)で売りに出ていました! これは見逃せない!と思い、店長にヒヤリングをかけました。

(1万円なら多少のことがあってもあきらめもつくし、万一数年もってくれたらよい誤算!奥さんにも説明しやすい・・・) という計算で買う気満々で店長に一言

「音を出してみてください」

と言いました。 店長は待ってましたとばかりにアンプのスタンバイ・・・うん?・・・電源は入るのですが、音が出ません・・・店長曰く

「少し調子が悪いので、店内で少しお待ちください」

待つこと30分。結局その日は音が出ないまま。連絡をもらうことに。 数日したら電話がかかってきて 「メーカーに修理に出すことにしました」

「ご安心ください。修理代を上乗せしたりはしません!ほかの人にも売りません!」

それなら待つことにしよう・・・それからさらに数週間・・・お店によってみると

「すみません・・・メーカーから送り返されてしまいました」

「大丈夫です。ほかの会社に依頼しますから」

・・・この後の展開はもうご察しの通りです・・・あのシンセは今どこに行ってしまったのでしょう?

今回もお店の隅に少し予感がありました。衝撃的な出会いでした!

前置きが長くなりました。 この鍵盤楽器は「電気ピアノ」という楽器で、1970年代から1980年代に一世を風靡したYAMAHAのCP-80という楽器です。 「電子ピアノ」というサンプリング音源を使用した鍵盤楽器が時代を変えていく前に現れた画期的な楽器でした。ステージ上に普通のピアノを置いてマイクで音を拾うことが非常に難しく、プロミュージシャンからそのハウリングを防止する対策が急がれていたようです。

YAMAHAはコンパクトなボディに特殊なピアノ線を張り、実際にハンマーアクションでたたくことで発生した音をコンパクトなマイクで集音してアンプに出力したのです。 もちろん本物とは違う音色です。ただ今のサンプリングの電子ピアノとは決定的に違う「何か」があるのです!このピアノは当時オフコースの小田和正がレコーディングやライブで使用していました。あのヒット曲「さよなら」のレコーディングもCP-80を使用しています。 世界のプロミュージシャンがこぞって使用したようです。

今でも日本で使っているのが八神純子や小林武史などです。

店長に音を出してもらっているそばで私はこう言ってしまいました。

「こんなところで出会えるなんて・・・」

当時100万円を超えるその楽器が今、その体に多くの傷をたくわえ、ボロボロになりながらも数万円で売りに出るそうです。 ただ部品の問題、調律の問題等買ったらとんでもない面倒くささを引き受けることになりそうです。 さらにその重量が100kgを越えます。動かせません!

このタイミングで憧れつづけた幻の楽器との出会い。

この意味を少し考えてみたいと思います。

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